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こんにちは。
福島県会津若松市にある標高314メートルの飯盛山は福島県有数の歴史スポットです。
この飯盛山には今旅行者に大注目されている通称さざえ堂があります。
今回はその不思議な構造と魅力を御紹介します。
ぐるぐるここはどこ?わたしはだれ!?
海外旅行に行くと日本ではけしてみることのできない、特徴的な建物を見ることができます。なかでもピサの斜塔は独特のバランスを保ったまま少し傾いて地面の上に立っています。さざえ堂は一瞬そんな印象を見た人に与える建物です。
中はまさに迷路!自分の前と左側にずっと傾斜したスロープ状の階段が続き3層構造の最上階に参拝者を誘います。そこで気を付けたいのが道順です。
このお堂は一方通行です最上階まで行ったらもと来た道を戻らずにひたすら前に進みましょう。通路のスペースは狭さを感じるもののたどり着いた最上層は屋根はあるものの多少開放感を感じます。
通路の途中には観音様や徳の高い御坊さんの像が安置され、夕暮れ時は少し怖くもありますが小さな窓から見える景色はなかなか感動的なものです。
とはいえ、巡っているうち景色の変化がないことと閉塞感から自分がどこにいるのかわからなくなってしまいそうなほど不思議な感覚に襲われます。
福島県会津若松市の『さざえ堂』その歴史といわれ
円通三匝堂(えんつうさんそうどう)、通称『さざえ堂』は今から200年前飯盛山に本堂のあったお寺の住職である郁堂(いくどう)という名のお坊さんが考案した建物です。この六角形に3階建ての構造は通路も一方通行であるため参拝者が安全に参拝できるということから、国の重要文化財に指定されています。
この『さざえ堂』ができた頃『さざえ堂』は自由に旅行をすることのできなかった人達のためにこの会津若松に居ながら西国三十三観音巡りを疑似体験する施設として作られと言われています。
江戸時代、お伊勢参りや善光寺参りなど聖地巡礼(今でいうパワースポット巡り)が流行しました。なかでも観音菩薩に対する信仰は一大ブームを呼び、その御利益を得ようと人々は観音様をお祭りしましたが、お金や時間に余裕のある人や身分証明が発行してもらえた人以外は自分の住むところから自由に旅行に出ることはできませんでした。
また、東国の会津若松から西国に巡礼の旅に出ることは距離的な問題もあり実行することは本当に難しいことでした。
そのため、全国各地で観音菩薩に限らず高い信仰を集めた寺社の石碑や祠が作られ、長旅に出なくても、功徳を積んで神仏のご加護を得られるようにこのような施設が作られました。
しかし、このようなお堂は大変珍しいとされ、世界中からこのお堂を見るために観光客が訪れます。今も昔も『さざえ堂』は人の心をつかんで離しません。
絶妙なバランスの構造に魅せられて
『さざえ堂』の造りのことを六角形三層構造と言います。それは文字通り上空から『さざえ堂』を見ると六角形をしており地上から見上げれば三層の外壁の切込みから三層の構造をしていることがわかるためです。
しかし、中に入ってみると自分が一体いつ一層目、二層目を通り過ぎたかわかりません。
また、六角という形はの足元の木の床が小刻みに角ばっていることから想像できなくもありませんが、板の目を見ているうちに少し酔いそうな感覚に襲われます。そして、常にアップダウンがあり、平らな床はほとんどないのでお堂の中にいるうちは常に緊張感があり、外に戻ってきたときには爽快感を味わえます。
この爽快感がクセになり、一度出た後も何度でも入りたくなります。
『さざえ堂』の名の由来
この『さざえ堂』の名の由来は前でお話しした平らな床がほとんどないことに関係します。
この『さざえ堂』の中を通る一方通行の通路はお堂の中を二重螺旋の形に巡っています。この二重螺旋構造はさざえの貝殻の中を通る穴と同じであることからこの『さざえ堂』の名がつけられました。
中を歩いて(ほとんど中腰で進みます)いるときはほとんどそんなことは感じませんが、是非そのことを頭の中で想像しながらさざえ堂をお参りして下さい。まるでスモールライトで小さくなって貝の中を歩いているような、ちょっとおもしろい体験ができます。
『さざえ堂』を楽しむために
『さざえ堂』は木造のお堂です。そのため参拝者がある区ごとにぎしぎしと音がして、この建物が重ねてきた長い年月を感じることができます。
また、最近の研究で、『さざえ堂』の柱と梁が外れている状態の部分が沢山見つかっています。観光で訪れた際にはできるだけ気を付けてお楽しみください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。皆様のご参考になれれば幸いです。
今回の観光地はココ↓です。