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みなさん、能楽を見たことはありますか?
能楽の聖地といえば、奈良の「興福寺」と「春日大社」です!
毎年5月の下旬には、この能楽の聖地である「興福寺」と「春日大社」で能楽の祭典『薪御能(たきぎおのう)』が開催されています。平成28年の今年は「興福寺」は未だ改修工事中ですが、「春日大社」は式年造替で賑わっており、例年通り多くの見物客が押し寄せ、ジッとその演目を見ていました。
今日は古くから伝わる儀式『薪御能』についてお話ししたいと思います。
そもそも『薪御能(たきぎおのう)』って何?
まず『薪能(たきぎのう)』の説明です。『薪能(たきぎのう)』とは、一般的には、「薪でかがり火を焚いた野外に設置した能舞台の中で演じる能」のことです。
しかし「興福寺」で行われる『薪能(たきぎのう)』の説明は異なります。「興福寺」の『薪能(たきぎのう)』は「春日大社の山で採った薪を、興福寺で使う薪として迎えるときに演じる能」のことです。そのため『薪御能(たきぎおのう)』と呼ばれています。
能の野外フェスのような感じに思われがちですが、『薪御能』は、れっきとした神事・仏事のような儀式になるんですよ。
なので『薪御能』は初めての方には、取っ付きにくいのです。
そもそも「能楽」とは能役者が、写真のような面(「面」と書いて「おもて」と呼びます)を顔に付けて歌ったり舞ったりする伝統芸能です。演じられる題目は源氏物語や平家物語などの古典文学が原作のものや日本全国の景勝地を題材にしたもの、中国の説話が原作となっているものがあります。
だから、演者さんが話すセリフも学校の古典の時間に習うような言葉ですし、お囃子(おはやし)もお寺や神社で聞くような独特な音楽ですから、理解できるまでなかなか楽しむことが出来ないんですね。っていうか、眠くなります。
でも、源義経や弁慶などの歴史上のヒーローが登場する題目では、歴史好きな方でも好きでない方でも「あ~、あの場面ね!」って理解が出来る場面が必ずありますので、理解してしまった時はすでに「能の虜」になっているはずですよ!
・・・で、実際に能を演じている姿を写真に撮りたかったのですが、儀式なので原則、写真撮影禁止らしいです。
私も撮影禁止に従ったので、能を演じている写真はありません(T_T)。
『春日大社』の演目と『興福寺』の演目の間、どうやって時間をつぶしましょ?
『薪御能』は「興福寺」では5月20日の午後5時30分・5月21日の午後5時30分に行われ、「春日大社」では5月20日の午前11時・21日の午前2時30分に行われました。
※この時間帯は平成28年の時間帯です。毎年時間帯が変わりますので平成29年についてはご確認願います。
大抵は、「春日大社」の演目を見てから「興福寺」の演目を見て回るのですが、ここで1つ大きな問題に突き当たります!!
「春日大社」の演目と「興福寺」の演目の間、どうやって時間をつぶしましょ?
コレ、結構大きな問題なんですよ!!特に5月20日の初日は、「春日大社」の午前11時が終わったら、「興福寺」の午後5時30分まで何もすることがないんですから!!
ということで、「春日大社」と「興福寺」の位置関係に注目です!
奈良市内の中でも奈良の中心部から若草山の麓まで広がる芝生の公園の中に「興福寺」「奈良国立博物館」「春日大社」「奈良公園」「東大寺」が並んでいます。その広さたるや全て見学するには大人の足でも5~6時間かかる広さです。
しかし、「興福寺」と「奈良国立博物館」は徒歩10分の距離にあり、「奈良国立博物館」と「春日大社」はタクシー(車)で5分、徒歩でも15分ほどの距離にあるんですよ。
「興福寺」から「奈良国立博物館」へのルートと所要時間。
「奈良国立博物館」から「春日大社」へのルートと所要時間。
ほら、グーグルさんも同じこと言ってますでしょ?
なので、外国人観光客と一緒に鹿さんと戯れるのも良いですが、今回、私は「奈良国立博物館」と「食事」で時間をつぶすこと選択しました。
奈良の四季を文化財から見る「奈良国立博物館」
「興福寺」から徒歩約10分。日本に3つしかない国立博物館の1つ「奈良国立博物館」があります。
私が訪れた時「奈良国立博物館」では日本の漫画のルーツの1つと言われている『信貴山縁起』絵巻の特別展が行われていました。
奈良国立博物館では毎年名物となっている展示がいくつかあります。例えば平成28年10月下旬から11月下旬の1ヶ月間は1400年前から日本に伝わるシルクロードの宝「正倉院」宝物の展示、平成29年3月には東大寺二月堂の祭礼「お水取り」に関する資料の展示をする予定です。
どの展示も毎年趣向が違うため、奈良が好きな歴史好きさんはタイミングをみて訪れますので、人気の特別展のときは混んでいると思われます。
ちなみに「奈良国立博物館」が空いている時間帯をリサーチしてみました。その空いている時間帯は「金曜日の夕方6時から7時」だそうです。う~ん、観光客がわざわざその時間帯に行きますかねぇ(^^;)。
やはり、平日の昼間に行くのがベストなのかもしれませんね。
「元喜神・奈良店」で奈良名物「大仏ラーメン」を食べる
「興福寺」の『薪御能』は午後5時から始まります。その前に腹ごしらえです!
大仏の耳たぶを模した海老天と大仏の顎を模したお餅の入った「大仏ラーメン」が奈良名物だとタクシーの運転手から教わったので、「春日大社」の逆方向ですが行ってみました。
店名は「元喜神・奈良店」で、奈良国立博物館から『興福寺』の方向に20分ほど歩いたところにありました。
数量限定のこのラーメンは夕方に行ったのではなかなかお目にかかれない一品で、あっさりとした醤油味とこれでもかとトッピングされている味付け半熟煮玉子、醤油とみりんで煮た椎茸が特徴です。
麺の量の標準はなんと200グラムでこれにセットを付けることもできます。200グラムは女性には苦しい量かと思いきや、あっさりスープのおかげだと思われますが、ペロリと完食していました。
「奈良国立博物館」から「元喜神・奈良店」へのルートと所要時間。
歴史好きなら奈良を気ままにひとり旅
奈良は歴史好き、伝統文化に興味のある人にとってはテーマパークよりも楽しめる文化都市です。
もちろん友達と一緒に巡るのも楽しいのですが、時には自分の気の向くまま、古寺を巡り博物館に行き、鹿を眺めながら美味しいものを食べると言うのも楽しい旅の過ごし方です。
夏の奈良は大変暑く、徒歩での観光はあまりお勧めできませんが、行けば必ず素敵な出会いがあるから止められませんね(^^)/。
最後まで読んでいただきありがとうございました。皆様の旅のご参考になれば幸いです。
今回の観光地1つ目はココ↓です。
今回の観光地2つ目はココ↓です。